2012年6月11日月曜日

野田内閣改造で露呈した民主党の人材不足

 野田佳彦首相は4日午後、国会会期末が迫る中でようやく内閣改造に踏み切った。国会会期中の改造人事は異例だが、その理由を野田首相は記者会見で「社会保障と税の一体改革を含め、諸懸案を前進させるための環境整備をすべく、機能強化の観点から適材適所の人事だ」と述べた。言うまでもなく、自民党が求める問責2閣僚のクビを切るための改造である。
「私は職責を果たしてきた。今後とも日本の安全保障、沖縄の負担軽減、自衛隊の活動に力を尽くしたい」(田中直紀防衛相)
「私自身の不注意があった。国会でブレーキになると国民に迷惑が掛かるから、首相の指示に従った」(前田武志国交相)
問責2大臣はそれぞれにこんなコメントを残して閣外に去った。
 後任の防衛相には拓殖大学大学院の森本敏教授が、国交相には参院から羽田雄一郎国対委員長が起用された。この他に農林水産相に参院から郡司彰農林副大臣、法務相に滝実法務副大臣、国民新党枠の郵政民営化担当相は松下忠洋副大臣が昇格した。
こう言っては失礼だが民主党の人材もついに底をついたか。機能強化どころか、「野田残飯内閣」である。
とりわけ防衛相の民間人起用には開いた口が塞がらない。テレビで馴染みの安全保障の専門家らしいが、一民間人に国家国民の命を丸投げするとは無責任極まりない。
自民党はこの人事を「田中氏で相当懲りたので専門家を外から登用したと思うが、シビリアンコントロールや安全保障は国の根幹。民主党内に適材がいないことの表れだ」(石原伸晃幹事長)、「政治家でない以上、責任を取れない。やってはならないことだ」(石破茂元防衛相)と批判している。同感だ。
 改造人事に合わせ、野田首相は同日の政府・民主党3役会議で自民党消費税関連法案の修正協議を開始するよう指示し、輿石東幹事長に対して自民党が修正協議の前提としている衆院社会保障・税一体改革特別委員会の中央公聴会日程を詰めるよう迫った。
野田首相にとっては国の安全保障より、消費税増税の実現が大事とみえる。ならば自民党には法案成立への協力をお願いしたい。こんな政権がダラダラ続いたら年金を受け取るより先に、この国が滅んでしまわないか心配である。

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