2012年6月21日木曜日

小沢一郎と愚かな仲間たち③

いよいよ現実味を帯びてきた小沢抜き民自大連立
東京スポーツ「永田町ワイドショー」2012年2月22日号(ゲラ刷り)

17日に行われた小沢一郎民主党元代表の公判で元秘書らの検察調書の大半が証拠不採用となった。
 被告本人は口を噤むが、側近の川内博史衆院議員は翌日の自身の政治資金パーティーで「違法な捜査によって集められた証拠だということで、大部分が却下されるという明るい兆しも見えてきた」と述べ、無罪判決への期待を滲ませた。
 むろん検察捜査の在り方は断罪されてしかるべきだが、小沢氏が政治家であり続ける限り、だからといって無罪放免にはならないだろう。
 野党に言わせれば、「判決が(有罪、無罪)のどちだになろうと、もはや政治家としては失格であるということは自明だ」(自民党の脇雅史国対委員長)、「政治的、道義的責任はある。秘書が3人有罪になっているわけだから国会に対する説明責任はある」(公明等の井上義久幹事長)なのである。
 一審判決は4月中旬の予定だが、仮に無罪となった場合でも野党は国会喚問を求めてくるだろう。さてと、民主党執行部はどう対応するのか。
 小沢氏を擁護すれば、国民世論のさらなる離反を招きかねない。かといって、突き放せば党分裂は必至の状勢である。毎度繰り返される小沢問題だが、もううんざりだ。そろそろ、白黒つけてはどうか。
 都合の良いことに、小沢氏は野田政権が進める税と社会保障の一体改革に公然と異を唱えている。
 これについて自民党の谷垣禎一総裁は19日、「野田首相はまず小沢元代表と一対一で話し合い、賛成するなら一緒にやりましょう、反対するなら出て行ってください、と(言うべきだ)」と述べた。
本来は他党が口出しすることではなかろうが、消費税の税と社会保障の一体改革で野党に協力を求めていながら、党内を一つにまとめきれないようでは筋が通らない。政策を前に進めるためには小沢抜き民主、自民の大連立もありだ。

2012.2.20 築地にて

民自急接近で聞こえてくる小沢一郎の歯ぎしり

東京スポーツ「永田町ワイドショー」2012年3月7日号(ゲラ刷り)

 きっと今頃、民主党の小沢一郎元代表は歯ぎしりしていることだろう。
「首相が党内の7割、8割でもまとめて、残りの1割、2割は切るぐらいの重いがないと大きな難局を乗り切れない。これが土俵に上がってがっぷり四つに組む条件になる。反対派に出て行ってもらうというのが一番分かりやすい」
自民党の茂木敏充政調会長は5日、消費増税関連法案への対応についてこう述べ、民自協力の前提条件として民主党内の反対派、つまりは小沢切りを公然と求めた。
 茂木発言はガタつく民主党内の足下を見透かしてのものだが、前日のテレビ番組では野田首相自身が、「首相として不退転の決意と言ったのだから、強い覚悟、重たい決意だ。自分たちの政権のため、野田のためにやる話ではない。国家国民のため、やり遂げなければいけない時にはさまざまな判断がある」と述べ、自民党が求める小沢切り、話し合い解散に前向きな姿勢を見せている以上、もはや民自接近の流れは誰にも止められまい。事がうまく運べば、6月会期末までには解散総選挙になる公算が大だ。
民自協力は本欄で度々、訴えてきたことだけに大歓迎である。もちろん、来年度予算が早期に成立し、税と社会保障の一体改革が前に進めば、国家国民のためでもあるが、復権を目指す小沢氏にとっては大誤算だろう。
 野田首相と自民党の谷垣禎一総裁の極秘会談について小沢氏は3日のテレビ番組で「2人にとって何もいいことはない。なんでこそこそ会うのか」と述べ、不快感を露わにしたが後の祭りである。
 小沢氏はまた、今後の身の振り方について「ベストは民主党が政権交代の初心に帰ることだが、かなえられないなら安定した政権が必要だ。そのための方策を考える」
 と述べ、新党結成、政界再編に動く意向も示している。
 それがいい。消費税反対、TPP反対、改憲反対、原発反対、普天間基地の国内移設反対等々、なんでも反対の旗を掲げて、鳩山由紀夫元首相共々、民主党を離党して鈴木宗男氏の新党大地・真民主党や国民新党、社民党や自民党内の左派グループに声を掛けて大同団結すれば、きっと国民も応援してくれるはず。ただし、4月の一審判決で無罪になってからの話だが。


少数派小沢一郎が振りかざす民主主義の本末転倒

東京スポーツ「永田町ワイドショー」2012年3月9日号(ゲラ刷り)

 来年度予算案が8日、衆院を通過する。歳入の裏付けとなる赤字国債を発行するための特例公債法案の採決は先送りされたが、11年度で期限切れとなる租税特別措置の延長や自動車重量税の軽減、地球温暖化対策税の創設などが盛り込まれた税制改正法案や東日本大震災復興特別会計を設置するための特別会計改正法案などについては国民生活の混乱回避のため自民、公明両党が賛成にまわり、月内にも成立する見通しとなった。民自接近の成果といっていいだろう。
 成果はまだある。5日には与野党の環境相経験者が集まり、東日本大震災で発生したがれき処理について話し合った。
 会合を呼びかけた自民党の小池百合子氏は「国難にはそれぞれが役割を担うべきだ」と語っている。出席者は小沢鋭仁氏や公明党の斎藤鉄夫氏ら5人。「お互いさま」をキーワードに今後、副大臣や政務官経験者にも参加を呼びかけ、「与野党が力を合わせてそれぞれの地域で努力する」(小沢氏)という。それこそが国民が待ち望んできたことだ。
 それなのに民主党内はいまだに小沢グループが国政の足を引っ張ろうとしているのだから情けない。
 野田佳彦首相は週明け13日にも消費税増税関連法案を閣議決定する。これを邪魔しようと小沢氏側近の樋高剛総括副幹事長は6日、小沢グループの会合で「来所右派何が起こるかわからない。12日から東京にいてほしい」と禁足令を出した。
 もう一人の側近、東祥三前内閣府副大臣は「増税法案の答弁を求められた時、副大臣や政務官はどうするのか」と述べ、小沢グループの政務三役の総引き揚げをチラつかせている。いったい何のためにこの人たちは政治家になったのか。
 親分の小沢氏はこの日夜の会合で、野田首相が消費税増税に向けた決意を「51体49でも決めたらみんなで頑張る」と答弁したことを引き合いに出し、「それが民主主義なのか。本当にそれでいいのか」と批判を浴びせている。
 これまで数の論理をさんざんに振り回しておきながらよく言えたものだ。小沢流の民主主義にも困ったものである。




2012.3.5 築地にて

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