2012年6月21日木曜日

小沢一郎と愚かな仲間たち⑤


震災復興最大の障害は小沢一郎の存在である
東京スポーツ「永田町ワイドショー」2011年4月27日号

「今の政権の復興対策に大きなクレームがついた。菅さんがおやりになれるのかという多くの有権者の疑問を示したものだ」
統一地方選で民主党が大敗した24日、自民党の谷垣禎一総裁は記者会見でこう語り、菅首相に強く退陣を求めた。
 ところが菅直人首相は翌25日の参院決算員会で「厳しい結果になり、真摯に受け止めなければならない」と言いながら、震災対応については「政府を挙げてやるべきことはやってきている」と開き直っている。
 ならばと、フジサンケイグループが実施した直近の世論調査では政府の震災対応を評価せずが、62・7パーセント。原発事故いたっては評価せずが実に76・4パーセントに上っている。
 菅首相が選挙結果と世論調査を真摯に受け止めているのであれば、災害復旧の一次補正案の成立を待って潔く身を退くしか選択肢はない。
 ただ、同じ世論調査で内閣支持率が前回調査より3・1パーセント上昇し、21・8パーセント、早期の退陣を求めているのは23・8パーセントに止まっている。一方で原発対応や被災地復興が一段落することまで続けることを望んでいる国民が39・6パーセントもいる。おそらく、菅退陣後の政治空白が心配なのだろう。
 言うまでもなく、最大の懸念材料は民主党内の小沢一郎元代表を支持するグループの存在だ。
 自民、公明両党は政権協力の条件に菅首相の退陣を求めている。ここまでは、小沢支持グループと利害は一致する。
 だが両党はもう一つ、民主党マニフェストの撤回を政権協力の条件にしている。マニフェスト原理主義の小沢支持グループとは真逆の関係だ。加えて小沢氏の「政治とカネ」を厳しく追及してきた経緯もある。そうであれば、菅抜き小沢支配の民主党政権にも期待はできない。国民が菅首相の早期退陣を躊躇するのは当然だろう。それでも小沢支持グループが菅首相に退陣を求めるのであれば、まずはポスト菅の政権の姿を国民に明らかにすることだ。

2011.4.27 築地にて



内閣不信任決議を欠席した小沢一郎の狡猾

東京スポーツ「永田町ワイドショー」2011年6月8日号(ゲラ刷り)

 内閣不信任決議が圧倒的多数で否決されたにもかかわらず、なおも菅退陣の大合唱が鳴り止まないのはいったいどういう理由か。
 菅直人首相は震災復旧・復興のための第2次補正予算案の編成や本予算の執行に必要な特例公社債法案の処理に意欲を見せており、すでに6月22日会期末を迎える今国会の大幅な会期延長に言及している。
 ところが、自民党の石原伸晃幹事長は5日のテレビ番組で「菅内閣は死に体だ。1日も早く辞めてもらいたい。常識的には月内だ」と早期退陣を迫っている。
ちょっと待てよ。不信任決議案が可決されたのならまだ話は分かるが、逆に菅内閣は2日の衆院本会議で信任されたばかりだ。憲法が国会を国権の最高機関と定めている以上、不信任決議案が大差で否決されたことをもっと重く受け止めるべきだろう。つまり、憲政の常道に従えば、退くも進むも本来は菅首相の判断に委ねられるべきところだ。
同じ事が早期退陣を迫る民主党の反菅勢力にも言える。
まずもって菅首相を「ペテン師」呼ばわりしている鳩山由紀夫首相は6日の講演で「自民、公明両党とタッグを組んだ協力関係の中で、安心安全が確保された日本をつくり直していかなければならない」と述べている。日米同盟の信頼関係をぶち壊しておいて、安心安全とはよく言えたものだ。
造反劇の首謀者でありながら、採決に欠席した小沢一郎元代表もしかり。結局、賛成票はたったの2票。小沢元代表ら15人は敵前逃亡し棄権、欠席に回り、不信任決議案の採決に乗じたクーデターは不発に終わっている。
そんな連中が、菅首相の退陣時期や連立政権の枠組みを語る資格があるだろうか。
民主党執行部は賛成票を投じた議員を除籍とし、採決欠席者についても「党員資格停止12か月」の処分案を検討中だ。閉門蟄居の身なれば、万事休す。少なくとも刑事被告人の身となり、すでに党員資格停止中の小沢元代表に出る幕はなさそうだ。

2011.6.6 築地にて






民主党代表選の争点に浮上した小沢一郎の処分見直し
東京スポーツ「永田町ワイドショー」2011年8月24日号(ゲラ刷り)

民主党は代表選の日程について22日の役員会で週明け27日告示、29日投開票する方針を決めた。中1日に党主催の討論会を開催する予定だが、たったの3日間の選挙戦では政策論争は深まらない。しかも、数は力とばかりに刑事被告人の小沢一郎元代表が出しゃばってくれば、国民どっちらけの代表選になりそうだ。
 これまでのところ立候補に意欲をみせているのは、すでに推薦人20名を確保している野田佳彦財相、鹿野道彦農相、馬淵澄夫前国交相の3人に加え、海江田万里経済産業相、小沢鋭人元環境相、樽床信二元国会対策委員長、原口一博前総務相ら。「本命野田に対抗鹿野、穴が馬淵」といったところか。ただし、出馬が取り沙汰される前原誠司前外相の動向次第で戦況は一変する。(もっとも、当初は野田氏の支持にまわるとみられていた前原誠司前外相がここにきて急転直下、出馬を決めたことで戦況は一変した)
 支持層が重なる野田、前原両氏が激突すれば、党内最大グループを抱える小沢元代表が推す候補が、一気に大本命に躍り出ることになるからだ。
それが、鹿野氏になるのか、馬淵氏になるのか。あるいは第三の候補が現れるのか。いずれにせよ、代表選の結果次第では民主党はまたもや小沢支配の恐怖政治に逆戻りである。
前原前外相の出馬が取り沙汰されるの(出馬を決意したの)は、そんな危機意識のあらわれとも言えよう。
小沢氏の党員資格停止処分の見直しが、代表選のにわか争点に浮上してきたのもこのたまだ。
 党内基盤が脆弱な馬淵前国交相は21日のテレビ番組で「新事実によって見直すことは一般論としてあってもよい」と主張、小沢元環境相も「前から処分は厳しすぎると言っている」と述べ、小沢元代表の支援に期待を寄せる。
 これに対して前原前外相は「現執行部の判断を尊重すべきだ」として処分見直しに反対する姿勢を崩していない。
 もっとも、さすがの小沢氏も今回ばかりは、傀儡政権の批判を浴びかねない露骨な候補者支援はやりにくい。人気者の前原前外相が相手となればなおさらだ。
 小沢元代表の次の一手が見物である。あるいは、敵の敵は味方とばかりに党内融和を掲げる野田財務相に乗っかる可能性もなくはないが。
2011.8.22



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