2013年7月1日月曜日

参院選で安倍自民党の圧勝を許せば”豚に真珠”のねじれ国会解消とならないか

 国会は26日、参院本会議で野党が提出した安倍晋三首相の問責決議案を可決して幕を閉じた。問責の理由は参院予算員会の集中審議に安倍首相以下、政府側が欠席したからだとか。参院選を前に安倍自民党との対決姿勢をアピールしてのものだが、いつもながらに国民不在の茶番劇でしかない。
与野党どちらに非があるかはともかく、これまで国会審議を積み重ね、成立が見込まれていた電力システム改革を進める電気事業法改正案や生活保護の不正受給対策を強化する生活保護法案改正案などの重要法案が問責決議が提出されたことで廃案になってしまったのは国政とって大きなマイナスである。
第一次安倍内閣から鳩山内閣の一時期を除き今日まで続く衆参ねじれ国会が「決められない政治」の元凶であることは、本欄で繰り返し指摘してきたところだ。
もっともそれも、7月の参院選までか。
「政治の安定を取り戻さなくては日本の国力が回復しない。景気回復、復興を加速させるためにも、負けるわけにはいかない。必ず(衆参の)ねじれを解消しなければならない」 
安倍首相は国会閉幕を受けて行われた記者会見でこう述べ、参院選の勝敗ラインについて自民、公明両党で過半数獲得を目指す考えを改めて示した。
マスコミ各社の世論調査を見れば、国民の過半がねじれ国会の解消を望んでいる。また、きっとそうなるであろうことを否定する材料は今のところ見当たらないが、一方で不安もよぎる。
 安倍自民党の暴走を許すようなことになればそれこそ「豚に真珠」を与えてしまうことになりやしまいか。
とりわけ秋の臨時国会をまたぎ政治決断が迫られる原発の再稼働と消費税率の引き上げについては、野党の声にも謙虚に耳を傾け、慎重な判断を求めたい。
 あるいは憲法改正についてはどうか。同じ記者会見で安倍首相は「96条から始めたいと言うことで、初めてリアリティーを持った議論になった。第一段階の目的は達成できた」として、世論の動向を見極めつつ慎重に議論していく姿勢を見せているが、これもいつ豹変するかもしれない。政治の安定を求め、それでいて悩ましくもあるねじれ国会の解消になりそうだ。

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