2013年11月25日月曜日

利権のために信仰を捨てた公明党のエセ”平和主義”

自民、公明両党が特定秘密保護法案の衆院採決を当初予定していた22日から週明け26日以降に先送りした。19日に安倍晋三首相と会談した公明党の山口那津男代表が、みんなの党と修正合意にとどまらず、さらに野党との合意形成に努めるよう求めたからだ。安倍政権の強引な国会運営に引きずられる公明党執行部に対しては支援組織の創価学会からかなりの突き上げがあったと聞く。だからだろう、席上、山口代表は15年10月に予定されている消費税率10パーセント引き上げ時の軽減税率導入を「政治決断すべきだ」として、年末の与党税制改正大綱で結論を出すよう強く迫り、弱者、低所得者層への取り組みをアピールした。
さらにこれに前後して行われた記者会見で山口代表は軽減税率の対象品目について「報道を元に知る権利を実質化するという、メディアのはたす役割は極めて大きい。民主主義の必需品ではないか」とも述べ、新聞や雑誌等の出版物を対象品目にする考えを示した。
軽減税率をエサに秘密保護法案への批判を強めるマスコミ世論を懐柔しようとは、いかにも姑息な公明党がやりそうな手口だ。
もとより、軽減税率導入の是非と秘密保護法案の賛否とはまったく別次元の話だ。
軽減税率導入については安倍首相の経済ブレーンの浜田宏一内閣官房参与が「一種の利権となり、政治的な争いになると経済政策に混乱をもたらす。税制も複雑になる」と否定的見解を述べている。まさに公明党はその利権漁りをしているだけのこと。そもそも、景気減速が懸念され、消費税率10パーセント引き上げが可能かどうかも疑わしいのに、軽減税率導入の議論は時機尚早ではないのか。
折しも19日にはアベノミクスの成長戦略を具体化する「産業競争力強化法案」が衆院を通過している。今国会の成立は確実な情勢だ。安倍首相の言葉を信じれば、これで労働者の賃金は上昇し、日本経済は成長軌道に乗るはず。ところが菅義偉官房長官は同日のテレビ番組で「引き上げることによって景気の腰折れがあり、税収が少なくなる状況なら、当然(先送りも)考えるべきではないか」と述べている。
そうなれば安倍首相の責任が問われよう。消費税引き上げはアベノミクスの経済成長を前提にしたものだからだ。利権欲しさにこれに擦り寄り、秘密保護法案の成立を救け、平和の党の看板を汚した山口代表以下、公明党現執行部の罪はもっと重いと知るがいい。

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