2013年12月23日月曜日

安倍政権の命運握る来年度予算案と賃上げ

 政府が週明け24日に14年度予算案を閣議決定する。一般会計総額96兆円を超える過去最高の規模だ。ちなみに昨年度は約92兆6千億円。上積み分は消費税引き上げによる税収増を見込んでのこと。併せて日銀が16日に発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)で大企業・製造業の景況感が四半期連続で改善、6年ぶりの高水準となったことも強気の予算編成を後押しする。政府は8月試算で実質1・0パーセントとしていた14年度の経済成長率見通しを1・3パーセントに引き上げる方向だ。
 おとより景気回復は望むところだが、短観は設備投資の伸び悩みも指摘している。大企業・全産業の13年度計画は前年度比4・6パーセント増となったが、前回調査(5・1パーセント)から下方修正。同日に内閣府が発表した日本経済の潜在的な供給力と実際の需要の差を表す需給ギャップは今年7~9月期で1・6パーセントのマイナスだった。
過剰設備でモノを作って売れなければ、企業が新たな設備投資に二の足踏むのも当然だ。
周知のとおり、安倍政権の経済成長戦略は賃金給料の底上げによる内需拡大を旨とするが、現実は相変わらずの円安頼み、輸出産業頼りの先々に危うさ漂う経済指標と言える。
そうであれば予算の使い途にはよくよく眼を光らせておく必要があろう。数字上で成長率が上向いたとしても内実が伴わなければ、持続的な経済成長は望めない。
だからだろう。安倍晋三首相も必死だ。18日には東京下町のメッキ工場を視察した際、「町工場であっても、みんなが頑張って技術を磨き、努力すれば景気回復のチャンスをきっとつかみ獲ることができる」と従業員を前に檄を飛ばしている。さらに視察後には記者団を前に年明け24日召集予定の次期通常国会冒頭に処理する13年度補正予算案に計上された中小企業の試作品開発や設備投資を対象とした「ものづくり補助金」について「賃上げした企業に優先的に出していく」との考えを示した。
すべては結果オーライである。ただひたすら景気回復に注力すれば内閣支持率もきっと持ち直すに違いない。

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