2014年2月21日金曜日

暗雲立ち込めても下がらない安倍内閣支持率のなぜ

安倍内閣の支持率は依然、堅調である。読売新聞の週末調査は支持率が60%で毎日新聞は52%だった。不支持ともに前回調査とほとんど変わっていない。
 ただし、経済対策については先行きに不安感が漂う世論調査の結果である。たとえば、時事通信の世論調査では安倍内閣が実現を目指す企業収益の拡大による賃上げについて否定的な意見が57・4%に上っている。15年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げについては「時期を当面先送りすべきだ」と「10%にする必要はない」を併せると実に72・6%に上っている。
 読売新聞でも安倍内閣の経済政策を「評価する」したのは前回調査から6ポイントマイナスの54%に止まり、景気回復を実感していない人も4%増えて77%に達している。
 だからだろう今年4月、消費税率8%に引き上げ後の家計についての毎日新聞の問いかけには65%が支出を「抑える」との考えを示している。
 それでも内閣支持率が下がらないのは、とりあえず様子見といったところか。4月以降の景気動向によっては、安倍内閣への風当たりは、春の嵐のごとく吹き荒れるに違いない。
 そのカギを握るのが、春闘相場であることは前に触れた。いくら公共事業を増やし、経済規模が拡大したとしても物価が上がり、これに賃金が追いつかなければ国民の暮らしは良くならない。
 それにもう一つ、安倍内閣に重くのし掛かるのが原発の再稼働問題である。
「アベノミクスで強い経済が戻ってきた。質の高い電力を安く安定的に供給できる環境を作らなければ、暮らしや雇用も守れない」
 自民党の高市早苗政調会長は16日のテレビ番組でこう述べ、原発再稼働を盛り込んだ国のエネルギー基本政策を3月年度内に取りまとめる考えを示している。
 だが、先に再稼働ありきの話しではたして反原発派の国民世論を説得することができるだろうか。電力料金をつり上げているのはアベノミクスによる円安がもたらしたもので、安倍内閣の失政の結果である。また、値上げした電気料金が実のところ東電救済に使われていることの是非についても議論の余地があろう。安倍首相がどんな言い訳をひねり出すか見物である。
 

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