2014年8月13日水曜日

福田元首相の外相起用が究極のサプライズ人事


安倍晋三首相が4日、中南米5カ国歴訪を終え帰国した。各国首脳との会談では来年10月改選の国連非常任理事国入りに支持を求める一方、財界人ら約70人の経済ミッションを引き連れトップセールスを展開したそうだが、結果が出るのはずっと先の話だから、評価は据え置くとする。今回の外遊を加え安倍首相の訪問国数が47カ国となり、小泉純一郎首相をまもなく追い抜くそうだが、評価すべきは具体的な外交成果であろう。何より、政権発足以来の冷え切った中韓両国との関係を見れば、とても褒められたものではない。

 当面の関心事は11月に北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に中国の習近平国家主席との首脳会談が実現できるかどうか。

「課題があるからこそ対話をすべきだ。静かな努力を続けていくことも大切だ」

 2日、最後の訪問国ブラジルのサンパウロで内外記者会見に挑んだ安倍首相はこう述べ、非は中国にあるとの従来の考えを変えていない。

 その中国はといえば、これも困ったもので旧日本軍がやらかしたとする南京事件や慰安婦の強制収容などの資料を世界記憶遺産に登録申請する構えを見せている。韓国も負けじと、女性家族省が旧日本軍の従軍慰安婦問題の実態を国内外に周知宣伝するため「慰安婦白書」を作成するそうだ。

ここで両国共に指導者が弱腰になることを国内世論が許さない。「静かな努力」なんて呑気なことを言っている場合ではないのである。

身から出た錆だとはいえ、安倍首相とて苦しい立場は同じだ。内心失敗したとは思っていても今さら靖国不参拝を明言するわけにもいかず、あるいは不参拝となれば極右タカ派からの突き上げも恐そうだし、心中穏やかでないはずだ。

そうこうしているうちに時間だけが過ぎ、結局のところ、中韓両国との関係改善はポスト安倍政権を待つ他ないかと諦めムード漂う中、親中派の福田康夫元首相と習国会主席との極秘会談が明らかになった。今のところ、唯一の希望である。9月の内閣改造で「福田外相」のサプライズ人事を期待したい。

 

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