2014年10月16日木曜日

お先真っ暗な安倍政権の輝く女性


「指導的立場で活躍される女性を増やすと同時に、子育ての不安の解消、母子家庭の生活の安定など、すべての女性の活躍推進のため施策の充実に取り組みたい」

 安倍晋三首相は10日に行われた「すべての女性が輝く社会づくり本部」の初会合でこう述べ、「女性活躍推進法案」の成立に強く意欲を示した。

 同法案はこの日の会合で正式決定した女性の社会進出を後押しするための「政策パッケージ」の第一弾となる目玉政策だ。2020年までに社会の指導的地位に占める女性の割合を30%に引き上げるとして、従業員301人以上の企業や国や地方自治体に数値目標を設定させ、公表を義務付ける画期的なもの。ただし同法案は数値目標の達成を強制するものではなく、達成度合いについての公表義務化も見送られたため実効性について何ら担保はない。いわば、オリンピック憲章のようなもの。国会審議の過程でもう少し肉付けが必要かとも思う。

やはり設定した数値目標の達成度については毎年の数字を公表すべきである。また数値目標の設定そのものを企業任せにせずに、たとえば業態別に企業内に占める女性従業員の比率と管理職数を連動させるなどのいくつかのパターンから企業に選択させてはどうか。さらに数値目標の達成度によって企業をランク付けし、法人税率や許認可等で差別化することがあってもいい。

何より重要なことは、どんなに高収益を上げようとも女性の登用に後ろ向きであれば一流企業とは呼ばれない。そんな新たな企業評価の物差しを社会に定着させ、保守的な企業経営者の尻を叩くことだ。いずれ近い将来、女性の優秀な人材に背を向けられる企業や経営者は失格の烙印を捺されることになるのである。ともあれ安倍政権が目指す「女性が輝く社会」に反対する理由はない。

「政策パッケージ」にはこの他に妊産婦への相談体制整備、家事育児支援サービスの品質確保の検討、待機児童ゼロ対策の加速化、非正規社員の正社員化支援、在宅勤務の環境整備、出産して退職した主婦向けの再就職支援策など難題がずらりと並ぶ。これを安倍政権は来春までに集中実施するとのこと。野党も協力してしっかり前に進めていただきたい。

 

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