2015年3月5日木曜日

自民党はポスト安倍の準備を急げ


「民主党のメッセージは具体的対策に乏しい批判ばかりと受け取られた。百万篇の反省にとどまることなく、改革政党として政権交代戦略を再構築する」

 民主党は1日に行われた党大会で先の総選挙の敗北をこう総括した。

 また、網膜剥離の再発で党大会を欠席した岡田克也代表は「統一地方選で“生活起点”“地域起点”の旗を掲げて土台を固める。国会論戦などで政権と対峙し、参院選、衆院選に向け反転攻勢をかける。オール民主党で党再生をはかる」とのメッセージを寄せている。

 是非そうあって欲しいが、来賓として出席した連合の古賀伸明会長は民主党に対して「決まったことは一致結束して行動をするフォロワーシップ」の大切さ説いた上で「国民の信頼を取り戻すには覚悟とたゆまぬ努力、もしかしたら時間も必要かもしれない」との見方を示した。焦らずじっくり党の足腰を鍛えて欲しいとの思いであろう。

 とはいえ、このままダラダラ安倍首相の暴走を許してしまえば、国民生活はズタズタにされてしまいかねない。

 民主党の枝野幸男幹事長は同日の記者会見で次期衆院選の見通しについて、「(来夏の参院選との)ダブル選はないのではないか。あったとしても完全なダブルではなく、(参院選の)直前や直後のような“実質ダブル”」と述べているが、最大野党の幹事長がこんな消極的な姿勢では困りものである。

 いかに解散総選挙が首相の専権とはいえ今国会、せめて安倍内閣を総辞職に追い込むくらいのことは言えないものか。

相次ぐ閣僚のスキャンダル発覚は、その突破口になるはずだ。

「政治資金の問題は閣内にいようと与党であろうと野党であろうと、しっかり説明責任をはたしていかなければならない」

 安倍晋三首相はこんな脅しにも似た論法で閣僚の献金疑惑を一般論にすり替えようとしているが、国会議員と閣僚とでは立場は大きく異なる。返り血を恐れず、ひるまず徹底追及することだ。

 併せて来年度予算案の審議を通じて安倍政権が推し進める経済政策の不備を炙り出し、国民有権者に分かり易く伝えなければならない。

 民主党や維新の党の議員は羅列した数字と専門用語を多用する癖があるが、国会中継を聞いている一般国民には難解過ぎる。難解な問題を難解にしか語れないのは愚かさの裏返しだ。政策を浸透させたいのであれば、中高生にも理解できるような工夫が必要である。

 その上で後半国会、国論を二分する安保外交ではそれこそ「オール民主党」の一枚岩で安倍政権に対峙できるかどうかが試されよう。国会戦術的には公明党に歩調合せて政府与党内に楔を打ち込むことができればなおいい。

内閣支持率30%前半で国会会期末を迎え、秋の自民党総裁選に突き進めば安倍首相が退陣する可能性も出てこよう。民主党に政権が転がり込んでくるわけではないが、安倍首相の暴走を食い止めることは野党第1党の務めだ。急がば回れの政権交代である。

 

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