2015年8月2日日曜日

安倍首相の懐刀、磯崎補佐官が白状したインチキ安保法案



安保関連法案をめぐる参院審議は冒頭から安倍晋三首相の懐刀とも言える磯崎陽輔首相補佐官の暴言問題で紛糾、波乱含みの展開である。

 磯崎氏が暴言を吐いたのは26日、地元大分での講演。先の衆院審議を通じて国民の大半が違憲の判断を下した憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認について「法的安定性は関係ない。わが国を守るために必要なことを憲法がダメだと言うことはあり得ない」と述べ、憲法解釈の変更を正当化したのである。

「法的安定性」とは、有り体に言えば時の政権の都合で法の解釈をコロコロ変えてはいけない、ということ。司法においては明治以来の判例主義がこれを担保してきたのは周知のとおりだ。むろん、今議論されている安保関連法案についても「法的安定性」の議論からは逃れられない。

 だからこそ政府与党は1959年の砂川事件最高裁判決や1972年の政府見解を持ち出しこれまでの憲法解釈との整合性に腐心しているのである。

その是非はともかく、首相秘書官が「法的安定性は関係ない」と言えば、つまりは安保関連法案に「法的安定性がない」ことを認めたに等しく、これまでの政府答弁が根底から覆されることにもなりかねない。

「法的安定性を確保することは当然だ。疑念を持たれる発言は厳に慎まなければならない」

 28日の審議で民主党の福山哲郎幹事長代理に磯崎氏の更迭を求められた安倍首相はこう述べるに留めた。しかしながら磯崎氏は安保担当の首相補佐官であり、安保関連法案の作成で中心的な役割を担っている。

 菅義偉官房長官は磯崎氏が暴言を吐いた翌日、電話で注意したそうだが、それで済む話ではない。

 福山氏はさらに畳みかけるように「外国への武力攻撃が日本の安全に間接的な影響がある場合でも集団的自衛権の行使はできない」とした1981年の内閣法制局長菅の答弁を取り上げ、「戦後70年の(憲法の)法的安定性を崩す。憲法を改正して国民に堂々と国際環境の変化を訴えるべきだ」と安倍首相に迫った。正論だが、馬の耳に念仏である。

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